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歯医者 :: 2015/02/20(Fri)

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日記を書こうと思ってみると、よーくわかりますけど、「日記を書く」って、じつはめちゃめちゃ難しいんですね。
まず、日記に書けるようなことが日常そんなに起こらない、という。



何もなくても、読み応えのあるものを書く、っていうのは、ひどく心が折れますね。





15:34。
BGMは、Krewellaで『Alive』





昨日は久しぶりに歯医者さんに行きました。
歯のお掃除に。
定期的に行くよう心がけているのですが、たまに行くとなんだか気後れしてしまいます。
なんとなく、病院って苦手なんですよね。



まぁ、病院が好き、っていうツワモノもそう居ないとは思いますけど。笑
俺は子どものころ、何回か入退院を繰り返したり、手術も何度か経験したりしたので、そういう体験が病院を敬遠してしまう要因ではあるのかもしれません。



歯医者さんって特に、何度か行ったことのある馴染みの病院ならいいですけど、はじめて行くところって、めちゃくちゃ緊張しませんか?笑
緊張というか、ほとんど恐怖ですけど。



医者の腕もわからないし、病院の雰囲気もわからないし、看護師のひとの愛想が良いか悪いかもわからない。笑
いま行っている歯医者さんは、彼氏の行きつけのところで、子どものころからお世話になっているらしいので、その点、安心感はありましたけど。



なんとなく、病院に行くと子どもじみた気持ちになっちゃうので、やっぱり苦手ではあります。
子どもじみた、というのは、例えば看護師さんに顔を覚えられていて、「あら、今日はどこか痛みますか?」とか「いつもと同じお掃除かしら?」と聞かれたりすると、なんとなく悪いことをした子どもみたいな気持ちになったり、待合室で座っているあいだ、やることがなくて仕方なく、本棚の雑誌やマンガ、小説なんかのタイトルを流し読みしたりしているときに感じる寄る辺のなさ、だったり。
(子どものころ、漢字が読めないタイトルはその漢字だけ飛ばして読んだりとか、したことありませんか?)



意外と俺、歯医者特有のあの不快極まりない治療音は大丈夫なので、そういう意味での恐怖はないですけどね。
虫歯もひどいものはないし、そもそも全部治療してあるし。
歯茎を針でつつかれるのは、嫌ですけどね。
やっぱり、すごい不快なので。笑
なるべく気にしてないふうに、ぶっちょうづらで構えてますけど。





「はーいお掃除終わりましたよー。着色もないし、けっこう良い状態だとおもいますよー」



スケーリングしてくれた看護師さんが言って、俺はあいまいに笑ってみせる。
コーヒーとか飲まないの? と聞いてくるので、あーまぁ飲みますけど、とこたえると、聞いていなかったのか間髪いれずにつぎの話に移った。



「歯みがきの仕方もう一度おさらいしておきますねー!お口開けてもらってもいいですか!はい、鏡持ってね。よーく見ててくださーい」



もう何遍かになる歯みがき講習は、いつも通り俺を子どもじみた気持ちにさせる。
こういうことを必要以上に丁寧に説明されると、なんとなく心細いような気がしてしまってしょうがない。
いい大人なのに、と思って、この治療台に座っているあいだは、なんとなくその子どもじみた気持ちに身を寄せてしまっている自分がいるのも事実だ。



看護師さんがテキパキと説明していく。
もう何度か説明しましたけどね、まずは前歯の下のほうからいきますねー。
歯ブラシを歯と歯茎の境い目にななめに当てて、細かく小刻みに磨きます。
ガシガシって、強くやっちゃだめですよー。
ここに食べ残しとかが溜まりやすいので、丁寧に細かく磨いてくださいねー。
犬歯から奥歯にかけても同じようにななめにして、奥のほうまでしっかり磨いてくださいね。
あ、溝のあるところはガシガシってしっかり磨いたほうがいいからね。
前歯の裏側は、歯ブラシを縦にして一本一本、掻きだすように磨くといいですよー。



俺はその何度めかの説明を聞きながら、あいまいに返事をした。
聞いた直後は、その教えどおりにしっかり丁寧に歯みがきするけれど、なにしろこの歯みがき講習どおりにやると、十分くらいは磨きつづけないといけない。
それでだんだん面倒になっていって、結果、歯医者さんでのこの無限ループに繋がるわけだ。



五十代くらいの看護師は、いつも俺を担当しているひとで、慣れた手つきでもう何百回とやっただろう歯みがき講習をまた俺に説明している。
上の歯もおんなじようにやります。
前歯は歯と歯茎のあいだギリギリのところに当ててななめに磨きます。
裏側はさっきやったとおり、縦にして掻きだしてーー。



ふいに俺は、中学生のころ、クラスメイトとふざけてて机に口をぶつけて、血だらけになったのを思い出した。
ほとんど流血に近くて、溢れでる血が滴りおちるのを、クラスメイトたちが息を飲んで見ているのがわかった。
誰かが、保健室!誰か保健室つれてって! と言ったのと、別の誰かが俺の腕を掴んで保健室までつれていこうとしたのは、ほぼ同時だったと思う。



不思議と怖くはなかった。
信じられないくらい血が出て、前歯もグラグラして気持ち悪かったけれど、あまり痛いとも感じなかったし、ただただ「やべぇ」と思っていた。
何がやべぇのかはわからないけれど、やべぇ、やべぇな、と。



その後のことは、電光石火のように鮮やかだった。
保健室のいったい幾つなのかわからないお婆ちゃんみたいな先生と、担任の先生、学年主任の先生が保健室に集まって、あわや大惨事といった風情で俺を痛々しげに労わった。
すぐに早退がきまって、母親が迎えに来て、家のちかくの適当な歯医者に連れていかれた。
二階建ての歯医者で、一階は住居、二階が病院になっているタイプのそこは、あちこちひび割れた階段をのぼって、重い扉をあけて入れるところだった。



そこで、具体的にどんな治療がされたのかは憶えていないけれど、とにかく歯を固定して、ついでにまわりの歯のお掃除もしてもらって、そんなに痛みを感じることもなく「あと何度か通院してください」で終了した。
愛想のわるい医者で、医者なんてみんなそんなものかもしれないけれど、とくとくと説教をして(気をつけて遊びなさい、とか、もっとしっかり歯を磨きなさい、とか)、終始俺は、はやく治療が終わらないかな、とだけ考えていた。



その日の夜に、一緒にふざけていたクラスメイトが、母親と共にうちまでやってきて、手土産までもってお見舞いの言葉をかけられた。
俺の母親は笑って、気にしないでください、と言ったけれど、むこうの母親は涙を流して謝罪の言葉を言い募っていた。
いっしょにその場で、大丈夫です、と繰り返していた俺は、自分がひどく責められているような気持ちになって気が塞いだ。
クラスメイトの男子はまじめくさった顔で神妙そうに立って何も言わないし、その母親は涙をぽろぽろこぼしながら、
「もしその歳で歯がダメになったら私もうどうすればいいのやら……」
と言って、さらに泣いた。
謝られているのは俺なのに、極悪人になったのは俺のほうだと感じた。
ほんとうに、もう大丈夫なのでどうか気に病まないでください、と俺の母親が言って、ひたすら頭をさげてクラスメイト親子は帰っていった。





「はい、終わりましたよー!」
看護師さんが愛想よく言い、つづけて、
「今日でぜんぶ終わりましたので通院は大丈夫ですよー」
と、言った。



看護師さんが医者を呼びにいっているあいだ、俺は顔の上にあるYOSHIDAと文字の入ったライトをみつめる。
聞いたことのないメーカーだ、と思っていたら、いつのまにか医者が横に立っていた。



「あれから左奥歯はどうですか?」
ここの医者は比較的愛想がいいほうだと思いながら、大丈夫です、とこたえる。
以前治療した左奥歯はちっとも問題ないし、ほかの歯もなにも異常はない。
「うん。じゃ大丈夫でしょ」
医者が言って、さっさと立ち去る。
歯医者さんの医者というのは、ほんとうにいざという治療のときしかなかなかお目にかかれないものなんじゃないかと思うくらい、ここの医者はなかなか姿をみせない。



「それじゃ、お大事にー」
看護師さんが言い、会計を済ませて、さっきの歯みがき講習で使った歯ブラシもいつも通りもらって、外に出た。
よく晴れて、すこし暖かすぎるくらいの気温だ。



帰ったら、この綺麗になった歯を彼氏に見せよう、と、子どもじみた考えで思った。
それで、綺麗になった歯でキスでもしてやろう、と思って、なんとなくすっきりした口でため息をひとつ吐いて、俺は自転車に乗った。



来るときは向かい風だったから、帰りは追い風でちょっとは楽だろうと思うと、なんとなく気楽な気分になって、俺は地面をいきおいよく蹴った。





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